どうやら西洋の「こわれぬ文化」、非情な文化、形象的文化の根は石にあるようだ。
これに対して日本の「消える文化」「情緒の文化」、心しか残らぬ形なき文化の根が木や泥に求められそうだ。
西欧にはストックがあるが、日本にはフローしかないわけもこんなところにもある。
「蓄積」がないからこそ「精神」だけはいつも緊張して回転しつづけている。
これが日本発展の謎ではなかろうか。
進歩とは変わること、できているものを破壊することだ。
こわれやすいものは常に追放の緊張があり、ときどき変わっていく。
一見合理にみえる石の文明の西洋の社会が停滞し、斜陽化していくのに、日本の社会のすみずみに常に活気と活力がみなぎる発展進歩の社会になったわけも、こわれる文明のたまものではなかろうか。
JDPアセットマネジメント株式会社(代表取締役・大橋直久)の同好会